〈明日買い〉と別れ、半信半疑のまま自宅に戻った僕は、歩き通しで疲れていたこともあり、夕飯も食べずにそのまま眠ってしまいました。
次の日、いつもと同じ自分の部屋で目を覚ました僕は、手に赤い〈明日買い〉の領収書を握っていました。〈明日買い〉の話によると、過去に持っていけるのは、自分の体と、この領収書だけらしいのです。
僕は飛び起きて朝刊を取りに行きました。印刷された日付を見て、思わず叫びました。
「うおぉお、やった! 戻ってる」
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テーマ:自作小説 - ジャンル:小説・文学
- 2006/05/12(金) 11:38:17|
- 短編「明日買い」
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「僕は、中学校で不良グループに入っていました。
不良に憧れがあったとかそんなのじゃなくて、適当に選んで入った陸上部が、校内のヤンキーの溜まり場になっていたんです。
まあ、不良と言っても、ちょっと制服の形を変えたり、授業を抜け出して購買へジュースを買いに行ったりするくらいのもんです。
学校側からも目を付けられていましたが、生徒指導の先生とは話す機会が多かった分、逆に、普通の生徒よりも仲が良かったくらいです。
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- 2006/05/11(木) 21:22:54|
- 短編「明日買い」
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煙草に火をつけ、煙を吸い込んだ途端、大きくむせた。
涙を流して咳き込む僕を、隣の女性がじっと見ている。
心配しているというよりも、僕の一挙一動を観察している感じだ。
「すいません」
目尻に溜まった涙をぬぐい、僕は女性の視線を避けるように下を向いた。
「その、煙草には、まだ馴れてないんで……」
「ええ、分かります」
女性はそう言って頷き、少し離れた場所にある砂場へ目をやった。つられて僕も同じ方向を見る。
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- 2006/05/10(水) 21:19:24|
- 短編「明日買い」
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