奈良裕明『小説を書くための基礎メソッド』「面白く読んでもらうには、どうすれば良いか」に基準がある本。
<推敲チェック項目>は、参考になります。
(いつも〆切ギリギリに仕上げるので、ぜんぜん生かせてませんが)
<飾る>は、今読むと、自分の弱点はココだなぁ。と思いますね。
ちなみに、カート・ヴォネガットの提唱した「シンデレラ曲線」を初めて知ったのは、この本です。
以下は、重要だと思った箇所。
またの名を、自分用メモ
<おもしろさとは>・身につまされる(シリアス・純文学)
・我を忘れる(エンタメ系)
<小説とは何か>・行ったりきたりをしないといけない。
愛←→憎
心の動き←→体の動き
自己←→他者
個人←→社会
…これがないと、「独り言で終わっている小説」になる
・小説には「問い」が必要。
書いたものを読者にさしだし、「どうですか?」と問いかける
<構成><カート・ヴォネガット>
・シンデレラ曲線
1)スタート 2)不幸 3)幸運 4)いきなり不幸 5)ハッピーエンド
<飾る>自分の文章をずらす
副詞・形容詞→慣用語→自分なりに。
ずらし方を工夫する。
小道具を使う。
小道具の役割は「主人公・登場人物の特長をはっきりさせ、読み手へ強烈に印象づけること」
なぜ、このような細々とした部分にこだわる必要があるのか?
「物を書くことで、心の様子を伝えるため」
心の動き←→物・体の動き……これが描写。
五感。
ペンが止まってしまったときは、まず
目を閉じ、作品の中へ入っていく。
登場人物と自分を重ね、一体になってみる
「五感」を駆使する。
<推敲のチェック項目>・不要な文字・文章を削る
・足りない文字・文章を補う
・すでに書かれた文字・文章を、別の言葉に変える。
・書かれた文字・文章を、別の位置に移動させる。
「書くとき主観・読み直すとき客観」
1)時間を空ける
2)音読する
3)無駄な言葉、フレーズを削る
4)語尾の「時」をはっきりさせる。
現在形…U「臨場感」過去形…した「基本」大過去…だった。だったのだ
5)接続詞(つなぎ)のリズム。
「てにおは」「の・も・と・が」がくどくないか。
6)語尾のリズムは大丈夫か。
※
基本的に語尾が過去形…「~した。」で終わる文章のかたまり。その地の部分で、
「今・今日・今朝・今夜・ここ・この・これ」が出てきたら要注意。
まずその言葉が削除できないか考える。
↓駄目な場合、
今→その時
今日→その日
今朝→その朝
今夜→その夜
ここ→そこ
この→その
これ→それ
なぜかこう書くか?=「今」が混乱するから
例外)誰かが発言している(「 」でくくれる)と誰かが想像・思索しているとき(( )でくくれる)は、常に「今」だから使うことができる。
※「以前は」はなるべく使わない。不親切。だいたいどれくらいかを、はっきり提示してあげる。
※「今」はいつなのか、常に心に留めて書くこと!
<箱書き>箱には、
場所:
時間:
登場人物:
出来事:
主なセリフ:
を入れる。
全ての場面を書き終えたら、横一列に並べ、推敲とリライトを繰り返す。
↓
こうすることにより、「妄想」が「構想」になる。
<プロット>物語を考える際の振り出し。どうやってプロットへ発展させていくか
1)初めにストーリーありきの場合。
何となくストーリーができている場合。
・ふさわしい場所はどこなのかを考える
・出来事に遭遇する「登場人物」は誰がふさわしいのかを考える。
・主人公をその出来事に遭遇させるためには導き手として、どんな人物が他に必要なのかを考える。
・出来事と出来事がうまくつながっているか、強引すぎないか、ふたつの間に新たにもうひとつ別のできごとをはさんだ方がよいのではないか。
2)キャラクターありきの場合。
・その登場人物が最もイキイキと動く・動かしたい「場所・場面」を考える。その場所へ主人公を導くにはどんな「出来事」と「人物」が必要か。
3)シーンありきの場合。
・そのシーンが物語の「はじまり」である場合、その場所にふさわしい(逆にふさわしくない)人物を置いてみる。そしてその場で、その人物になりきった気持ちで、どう考えて行動するかを考えてみる
・それが「終わり」である場合、なぜ彼・彼女がそこへ辿り着いたのかを想像する。逆行。
・始まりか終わりかわからない場合、前後にのばして考えてみる。
4)キメセリフありきの場合。
そのセリフを述べるのに、誰がふさわしいかを考え、2)のキャラクターありきへ繋がる。
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テーマ:ブックレビュー - ジャンル:小説・文学
- 2006/09/24(日) 11:47:25|
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